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ペピーノ栽培

ペピーノはナス科の植物で、梨とキュウリの中間のような風味を持つと言われる南米原産のフルーツです。栽培は比較的容易ですが、暑さにも寒さにも弱いため、日本の気候で育てるにはいくつかポイントがあります。

1. 置き場所・栽培環境
* 日当たりと風通し: 日当たりが良く、風通し、水はけの良い場所を好みます。
* 温度: 生育適温は日中18~24℃、夜間13~17℃です。最低10℃以上、最高25℃以下の範囲内で常に開花・結実すると言われています。
* 夏場の管理: 27℃以上になると生育が鈍化し、花も咲かなくなるため、真夏は木陰などの涼しい半日陰に移動させるか、遮光するなどして高温対策が必要です。
* 冬場の管理: 霜に弱いため、冬は室内に取り込み、明るい場所で管理すれば越冬可能です。日本では一年草として扱われることも多いですが、暖かい場所であれば多年草として育てられます。
* 鉢植えがおすすめ: 地植えも可能ですが、季節に応じて場所を移動できる鉢植えでの栽培が管理しやすくおすすめです。深さのある鉢(8~10号鉢、深さ25~30cm程度)を選びましょう。

2. 用土
* 水はけの良い土: 水はけの良い草花培養土や野菜用培養土が適しています。
* 配合土の例: 赤玉土小粒7割、腐葉土3割の配合土に肥料を混ぜても良いでしょう。
* 鉢底石: 湿った土が苦手なので、鉢底石を少し厚め(3~4cm)に敷くと良いです。

3. 植え付け
* 苗の入手: 種からの栽培は発芽率が悪く、育っても株が弱くなることがあるため、苗を購入するのがおすすめです。
* 植え付け時期: 真夏を除いた4月~9月が適期です。一般的には4月頃から苗が出回ります。
* 植え付け方法:
* 鉢に鉢底石を入れる。
* 鉢の8分目あたりまで土を入れる。
* 鉢の中心に穴を掘り、苗を植え付ける。
* 土を鎮圧して安定させ、たっぷりと水を与える。

4. 水やり
* 基本: 土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与えます。
* 結実期: 特に結実期は乾燥を嫌うため、土の表面が乾きすぎる前に水を与えるよう心掛けましょう。
* 夏場: 夏場は土が乾きやすいので、毎日土の表面をチェックし、必要に応じて水を与えます。風通しと日当たりが良い場所では朝晩2回必要な場合もあります。
* 冬場: 冬は乾かし気味に管理します。
* 注意点: 過湿は根腐れの原因になるので注意が必要です。冷水は植物を驚かせる可能性があるので、常温の水を使用しましょう。

5. 肥料
* 元肥: 植え付け前に、苦土石灰、堆肥、化成肥料、熔リンなどを土に混ぜ込んで土作りをします。
* 追肥: 春から秋の生育期間中に、三要素(窒素・リン酸・カリウム)が等分に含まれた肥料か、リン酸分がやや多めの肥料を与えます。
* 植え付けから3週間ほど経った頃から追肥を開始し、その後は2週間に1回の割合で化成肥料などを与えるのが目安です。
* 最初の収穫後や9月~10月頃にも追肥をすると良いでしょう。

6. 仕立て・剪定
* 支柱: 枝がたくさん伸び、果実の重みで垂れ下がるため、支柱を立てて枝を固定します。苗が徒長する前に設置するのが望ましいです。
* 3本仕立て: ナスと同じように、主枝と脇枝2本を残して伸ばしていく「3本仕立て」にすると、開花や結実がしやすくなります。
* わき芽かき: わき芽が次々と出てくるので、こまめに摘み取って栄養が分散するのを防ぎます。
* 剪定時期: 枯れたり損傷した枝を取り除き、中央部分を選択的に薄くする剪定は、新しい成長が始まる前の春先に行うのが最適です。風通しを良くし、病気のリスクを軽減する効果もあります。
* 結実後の剪定: 果実が密生しすぎると、果実同士が栄養を奪い合うので、間引くように剪定するのも良いでしょう。

7. 病害虫
* 主な病害虫: アブラムシ、ハダニ、うどんこ病などが挙げられます。
* 予防: 風通しを良くすることや、定期的なチェックが重要です。
* 青枯病: ペピーノは青枯病に対して耐病性があると言われています。

8. 収穫
* 収穫時期: 一般的に、夏と秋の年2回収穫が楽しめます。苗からだと3~4ヶ月程度で結実します。
* 食べ頃のサイン: 果実がうっすら黄色く色づき、紫色の縦縞模様の斑が入ったり、金色に熟したら食べ頃です。
* 追熟: 収穫後、2~3日追熟させ、少しやわらかくなったらさらに美味しくなります。
* 水やり後の注意: 乾燥の後に急激に水を吸収すると、実が割れてしまうことがありますが、食べる分には問題ありません。

9. 増やし方
* 挿し木: 4月~5月、9月~10月頃に枝を5cm程度に切り、挿し木用培養土に挿して管理すると発根します。
ペピーノは適切な管理を行うことで、家庭でも美味しい果実を収穫することができます。頑張って育ててみてください。